少し時間ができたので、前々から買っていたFate/Samurai Remunant をプレイする。
アクション苦手な癖に高難易度でまずはプレイしてしまうから、2,3日かかってボス戦を一つ突破したりしつつ、50時間かけて一周目が終わった。
プレイ日記や実況は人気配信者やもっとコアなファンに任せるとして、私の方はTwitterでも上げているプレイ中のスクショと歴史メモを随時載せておく。
ブログのほうが文字数とか気にせず記録できるので、ちょっと文字数増える。
二周目プレイしつつ、あとでまとめて更新するので、偶に見直してたら情報増えてるかもしれない。ネタバレも避けてるから、ストーリー関連は後日。
朝顔
サムレムをプレイ中。朝顔あるのが江戸っぽい。慶安4年(1651)だとまだ江戸に朝顔ブームが来てないせいか、色や形が少ない。
— 永住 空閑 (@Aju_kukan) 2024年2月27日
文化・文政(1804~29年ごろ)に第一次ブームが来ると、馬琴や北斎による「変化朝顔」の色や形の記録や絵が出てくる。#FateSR pic.twitter.com/rrmuhZVqQU
30文で1鉢(桶)か…当時はそば1杯で6文。現代だとそば1杯4,500円だから朝顔は換算2400~3000円。大工の日給約120~180文で比べると、現代は日給1万くらいだからやはり朝顔は2500円。
— 永住 空閑 (@Aju_kukan) 2024年2月27日
現代だと1鉢1000~2000円で買えるので、割高だけど適正くらい。
参考、江戸時代 値段史https://t.co/26rdMVvj9C
江戸時代の朝顔ブームを取り扱った作品は多い。
あと少し違うけれど、私が思い浮かんだのは、「しゃばけ」シリーズの話。病弱な若旦那と彼を慕う妖怪たちで不思議な謎を追う話で、父親が珍しい花を咲かせたから始まる話があった。
民俗学的にも朝顔は注目されるらしく、柳田国男が「明治大正史」で語っていたのを思い出す。朝顔は他の花に比べて交配で様々な色を出せることから、江戸末期から明治初期まで、見たことない色の花を咲かせようと流行ったとある。また、それは、西洋の文化を受けて変わりつつあった日本の色彩文化を盛り立てたとする。
人魚の木乃伊
人魚の木乃伊(ミイラ)だ。時代により人魚の出現は吉兆か凶兆かが変わる。江戸時代は吉兆のほう。
— 永住 空閑 (@Aju_kukan) 2024年2月29日
他に八尾比丘尼やFGOの弁慶(常陸坊海尊)の人魚食べて不老不死になった伝説が有名。
木乃伊は18,19世紀にも見世物とされ江戸で大量生産されたので、大英など海外の博物館にもあったりする。#FateSR pic.twitter.com/U4khj7lRsx
時代離れて黒船来航(1853)したペリーも「人魚の木乃伊を作ってる」と日記に記したから、本当に人魚職人がいて技を継承してたんだ。あと日本の人魚は腕がないのに、海外輸出したものは腕生えてるという話も面白い。
— 永住 空閑 (@Aju_kukan) 2024年2月29日
画像元,参考等
国立歴史民俗博物館、大ニセモノ博覧会の連載https://t.co/yX0PDRQIho pic.twitter.com/T55iTXbpEK
街中にあるスターバックスのロゴは、サイレン(セイレーン)由来なので実質人魚みたいなものだけど、あんな感じで常識的な胡散臭いものとして存在していた。
ただし我々が思う人魚は、ディズニーのマーメイドみたいなもので、上半身が美女である。これはギリシャ神話のセイレーンなど、航海する男たちを誘惑し海に引きずり落とした神話などの系譜がある。引きずり落とすの失敗すると、逆にセイレーンのほうが呪われて岩になるなどという話もあるので、不憫だけど。
一方で日本での人魚は「上半身が猿のようで~」と比喩されるように、奇怪なものとしてのほうが多い。現存する人魚の木乃伊(江戸の職人が作ったもの)の写真もそんな感じだ。
サムレムで言えばギリシャ神話の魔女キルケ―が登場する。彼女はアイアイエー島に住む海の魔女。「オデュッセイア」で、旅をするオデュッセウスに「セイレーンの歌を聞くと魔術で魅了されるの聞くな」と忠告した。しかしオデュッセウスは忠告通り耳栓をする船員たちに、自分は歌を聞いてみたいから、魔力に操られて飛び降りないよう、船の柱に縛り付けて貰い歌を聞いたという話がある。
なんで江戸にゆかりのないキルケ―がいるの? となれば、江戸はセイレーンの木乃伊で溢れているし、川が多いから水の縁もあるからと答えられる。怪物(スキュラ)の住む大岩について忠告したのも、彼女と出会う地名に関係すると深読みもできる。
話が逸れたので戻すと、日本で見られる人魚の話は、大きく二つある。
一つは、食べると不老不死になる話。有名な八尾比丘尼(飛鳥時代)や常陸坊海尊(源義経の部下)が食して不老不死となったという話
もう一つは、見かけると吉兆または凶兆の兆しとなる話。海で見かけたり、浜辺に妙な海の生き物として打ちあがると、大事件が起きる。アマビエやクダンという予言する妖怪がいるけれど、扱いはそれに近い。大地震の前に魚が取らなくなったり、普段取れなくなったりするという漁師の体験談とも関連してそうではある。
吉か凶かは時代で入れ替わり、例えば「鎌倉殿の13人」では度々内乱があったけど、鎌倉という海に近い立地のせいもあり、度々海で人魚のようなものを見かけてから和田義盛の反乱などがあったという話が残ってる。
ジブリの「崖の上のポニョ」も、広義的にはその影響を受けている。浜で人魚のようなものと出会ったことで大事件が起きるのは、日本でいう人魚の話の流れを組んでいる。
因みに人魚を食べると不老不死になるということで、人魚の骨を食してみたのが平田篤胤(国学者)。仲間と共に水に入れて飲んだり。家族に送って長寿を願った話がある。
大ニセモノ博覧会 担当者インタビュー 第5回|これまでの企画展示|企画展示|展示のご案内|国立歴史民俗博物館 (rekihaku.ac.jp)
江戸博士が質問に答える!江戸の人魚と不老長寿の伝説 | 科学コミュニケーターブログ
【見世物】人魚のミイラ「猿の上半身と生鮭を融合した作り物」 - SUBCULTUREAT-「殺人・ゴシップ・科学まで裏情報満載!」
どっこいどっこい
「どっこどっこい」だ。とっこいとっこい、ぶんまわしとも。回転円板で吹き矢の当たった場所に応じた景品がもらえる。
— 永住 空閑 (@Aju_kukan) 2024年3月1日
現代でも屋台にあるとされるが、ダーツならバラエティー番組(それこそFGO特番とか)で見かけたりする。#FateSR
参考 どっこいどっこい・ぶんまわしhttps://t.co/7yxVKAnzy7 pic.twitter.com/DgppMLHCwk
参考
伝統ゲーム・どっこいどっこい (asahi-net.or.jp)
【画像あり】江戸時代のおもしろ珍商売をまとめてみた(5) | 江戸ガイド (edo-g.com)
富士山
浅草から富士山が見える。
— 永住 空閑 (@Aju_kukan) 2024年3月1日
昔は上野、お茶の水坂とかから富士山が見えて浮世絵(東海道五十三次など)にも描かれてる。
浅草の高台というと、明治19年(1886)に浅草寺の五重塔の登楼が人気となったため、浅草公園に富士山を模した高台「富士山縦覧場」が建ったけど、こんな眺めだったのかも。#FateSR pic.twitter.com/QvT453ECwp
昔は江戸から富士山が見えたというのは、各地の坂の名前(富士見坂)に残ってたりするし看板にも書いてあるから、有名だろう。現代でも東京タワーやスカイツリーに上らずとも、高層ビルが消えたら富士山が眺められるらしいけど、あまり想像できない。
スカイツリーがあるのは上野付近だけど、現代だと空気が淀んでいるから昔ほど綺麗には見えないというのもあるかもしれない。
自身番小屋
自身番屋あった。
— 永住 空閑 (@Aju_kukan) 2024年3月22日
今でいう町役場や交番など、街の自治のための番所。街の門(木戸)と共に設けられることが多く、夜には番太郎が門を閉める。
画像左に警鐘があるのは、有名な享保5年(1720)のいろは組など江戸で火消し制度が整う前、この場所で火事を知らせて対応する場所だったから。#FateSR pic.twitter.com/ZIVFzQU15R
作中用語
浪人
これは牢(屋行きでも仕方ない)人たちだ…
— 永住 空閑 (@Aju_kukan) 2024年3月1日
牢人という言葉は鎌倉時代には存在していて、主君を失った武士のことを指した。『七人の侍』に登場する野武士も、主君を失った落武者なので牢人といえる。
江戸時代では大量の失職武士が各地を浮浪していたので、「浪人」や流浪人と書かれるようになった。 pic.twitter.com/9WdRQiH770
時代劇でよくみる「浪人」という言葉、漫画なら「るろうに剣心」の流浪人で知った人が多いかな。
浪人を牢人と書くこともあるけど、時代としては牢人のほうが先。
戦国時代に主君をなくして浪人となるケースは多いけど、そんな中でも浪人が大量発生したのは「関ケ原の戦い」「明治維新」の2回が有名。
特に明治維新後は、戦国以前と比べて士族に制約が多すぎて、失業した武士の苦労話が数多くある。今放送しているアニメ「明治撃剣-1874-」の主人公も、旧幕府側の武士であったが、人力車の仕事に転身している。実際明治には失業した武士たちによる人力車ブームが起きていた。また幕府の元官僚は、賊軍となり職にもつけず乞食となる人もいたようだ。かつては五百石を持っていた上司が、街中で乞食をしていたのを見てしまう話などもある。
浪人 (武士) - Japanese Wiki Corpus